形と組手

空手の形(型)には意味がない!?空手世界チャンピオンが徹底解説!

「空手の形(型)をやったところで、強くなれるの?実戦で役に立つの?」
「空手の形(型)の動きには意味があるの?」

この記事はそのような疑問を持っている方に向けて書いています。

猫人間
にゃす(押忍)!「SORUSH!!」代表の猫人間空手マンです。
「形(かた)」で世界チャンピオンになった方にお越しいただきました!
よろしくお願いします!
「空手の形の意味」って気になりますよね?
チャンピオン

空手は2020年東京オリンピックで追加されたことで、メディアで取り上げられる機会も増えてきました。

2019年12月には、東京オリンピックへの出場選手が3名内定を決めました。
なお、その選手たちがメダルを獲得できるかについては、「【空手】ついに東京オリンピック日本代表選手の内定が決まる【メダル獲得確率は!?】」で解説をしています。

今、まさに大注目を集めている空手には「形」と「組手」の2種目があります。

「組手」は相手と戦うので競技としてわかりやすいと思います。
(「寸止め」なので、格闘技ファンは少し物足りなく感じてしまうかもしれません。)

そして「形」については、空手をやったことがない人にとってチンプンカンプン。

「空手の形をやったところで強くなれないのでは?」
「なんか凄いけど、意味不明」

このように感じる人は多いようです。
では、こういった疑問に対し、形の元世界チャンピオンに聞いて紐解いていきますね。

空手の形には意味がないのか?

フォト:Tachinaリー - Unsplash

「空手の形に意味はないのか?」

この疑問に対し、結論から答えると「空手の形には意味がありますが、選手はそこまで意識をしていない」です。

空手の形に以下のような意味があります。

☆空手の形の意味☆
・四方八方にいる敵を想定した攻防(一つひとつの動きには意味がある)
・形を繰り返し練習することで身体を鍛える鍛錬になる
・空手の技を後世に正しく伝承するため

しかし、空手の形の選手は意味を理解していても、常に四方八方の敵をイメージなどしていません。

現代の空手における形は試合で勝つことが最大の目的となっているのです。

空手の形は「形の試合で勝つこと」を目的にしている

猫人間
選手目線での「空手の形」とはなんでしょうか?
正直に言うと「形を練習することにより、組手で強くなるぞ!」という意識は全くありません。
選手は「形の試合で勝つ」ことを目的にしているのが真実です。
チャンピオン

少し整理しますね。

先ほども簡単に説明しましたが、空手の競技には「形」と「組手」があります。
そして、それぞれ「形専門の選手」や「組手専門の選手」がいます。
水泳で例えると、スピードを競う「競泳の選手」と技術と美しさを競う「飛込の選手」みたいな感じです。
それぞれ出場している選手は違いますよね。

子供の場合は形と組手のどちらの試合にも出るケースが多いです。
(形と組手のどちらの方が才能が開花するかわからないため、子供はどちらも練習した方がいいです。)

しかし、形と組手をどちらとも頑張って練習をするより、片方を重点的に練習する方が「勝つためには効率的」なのです。

そのため、高校生ぐらいになると「形専門」か「組手専門」に分類されるようになります。
(両方強い選手はいますが、その場合は圧倒的な努力家か、もともと身体能力が高いひとであるケースが多いです。)

現代の空手は「競技で勝つ」ことが一番大きな目標になっています。

そのため、形を練習して組手に活かす必要がなくなったのです。

選手も「形が実戦で使えるとは思っていない」

猫人間
空手の形は実戦で使えるのでしょうか?
空手の形は実戦で使えるものもあれば、「これは使えないな〜」という技もあります。
チャンピオン
猫人間
元世界チャンピオンがいうと説得力ありますね。
使えない技とは、例えばどのような技ですか?
スーパーリンペイという形があるのですが、その形のクライマックスに指先で相手を刺す「貫手(ぬきて)」という技があります。
この技を実戦で使うとなると、自分の指が怪我をしてしまいます。
チャンピオン
猫人間
貫手を実戦で使うには、指先を鍛錬する必要があると聞いたことがあります。
指先の鍛錬は、痛いだけでなく時間がかなり掛かるので別の練習をした方が効率的ですね。

なお、試合で形に評価するとき、「技の理解度」という項目があります。

空手の形はひとつひとつの動きに意味があり、それが実戦で使えないとしても、選手はきちんと技の意味を知ったうえで正しい技を演舞しなくてはなりません。

ここでひとつ疑問が出てきます。

「実戦で使えない形は、やっても意味がないのではないだろうか?」
確かに実戦で使えない形を練習しても強くはなれなそうです。

しかし、実は形には筋肉を鍛えたりする「鍛錬」や「体の使い方を覚える」といった意味が込められています。

使えない技であっても、反復練習によって筋力が鍛えられるという効果があるのです。

形で筋力をつけるのではなく、不用意な筋トレをすると、空手に不要な筋肉がついて「技が遅くなった」など逆効果になってしまう場合があります。

形は「空手に不要な筋肉がつくことなく鍛えることができる」という側面もあるのです。

形の意味は残酷なものが多い

空手の形を組手で活かせないのは、現実的ではないという他に「あまりにも残酷すぎる」という理由もあります。

空手の組手の試合では「肘打ち(肘で攻撃すること)」や「金的への攻撃」など危険な技は禁止されています。

しかし、空手の形には平気で反則技が入っているのです。

危険であり組手では使えないため「形が意味のないもの」という捉え方もあります。

ただ、空手の形は一方的に相手を痛めつけるためにあるわけではありません。

猫人間
空手の形は全て受け(防御)から始まります。
敵に攻撃されたときの防衛という意味が込められているのです

「空手に先手なし」という言葉があります。
空手の形はその武道の精神を伝承するツールでもあるのです。

テレビで空手の形をみるときは「かっこいいかどうか」に注目です

フォト:ビクトリアKubiaki - Unsplash
自分の流派以外の形はどういった意味があるのかわかりません。
(流派:ハリーポッターでいう「グリフィンドール」や「スリザリン」みたいなもの)
チャンピオン

形は全部で100個を超えており、全ての形の意味を把握している人はこの世界にはいないです。
とはいえ、経験が豊富な審判は、よく試合で使われる形の意味なら理解していることでしょう。

空手の専門家が全ての形の意味を知っているわけではありません。

当然、空手をやったことがないひとは、空手の形を見てもチンプンカンプンですよね。

空手を知らないひとがオリンピックなど、テレビで空手をみるときは

「かっこいいかどうか」
「力強くスピードが早いか」
「身体が安定していて、技がブレていないか」

このあたりに注目すると楽しめると思います。

形の魅力とは?

猫人間
他のサイトでは語られることのない、選手目線の「形の真実」をお聞きしました。
最後に、形の魅力はズバリ何なのかを教えてください。
形の最大の魅力は「形を見た人が直感的に凄いと感じることができる」ことだと思います。
チャンピオン

上手な選手が演舞をしていると、試合会場が「シーン」と静かになることがあります。

たったひとりの人間が形をやっているだけですが、そこにいる数千人というひとが注目するのです。
それは、観客が直感的に凄さを感じとり、自然と「静かにしなくては」と思い起きる現象です。

そのような素晴らしい形を見て「凄い」と思えるのが最大の魅力であると考えます。

関連記事:【オリンピック種目】空手の「形(型)」のルール(評価基準)

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