ちなみに、他のスポーツと比べてどうなのかな?
こういった疑問にお答えします。
東京オリンピックのあと、空手の競技人口はますます増える見込みがされています。
空手は東京オリンピックの追加種目として採用され、大注目を集めていますが、2024年のパリオリンピックでは除外されてしまう方針です。
では一体、オリンピックに追加されたり除外されたりする空手はどのぐらいの競技人口がいるのか、他のオリンピック競技と比較してみました。
空手の競技人口と加盟国数
2018年5月のデータです。(参考:公益財団法人全日本空手道連盟)
✅世界の空手愛好者数
1億3000万人以上
✅日本の空手愛好者数
200万人以上
✅日本の空手競技登録者
53万人
なんと、世界の空手愛好者数は1億3000万人以上とのこと。
これは「日本の人口より多い」ということです。
ちょっとこれは驚きの数字です。
まさかこんなにも空手が広く親しまれていたとは思わなかったです。
そして、空手の世界的な連盟「世界空手道連盟」に加盟している国は194ヶ国(2018年のデータによる)あり、多くの国に広がっています。
空手と他のオリンピック新種目との競技人口を比較
では、新しくオリンピックに追加された競技と比較をします。
東京オリンピックの新種目競技は5つあります。
・野球・ソフトボール
・スケートボード
・スポーツクライミング
・サーフィン
パリオリンピックで追加される新種目は1つ。
なお、パリオリンピックでは空手と野球・ソフトボールが落選しました。
スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンは継続して採用の予定です。
では、これらの競技人口と愛好者数を比較します。
ただ、正式なデータはなかなか見つかりませんでした。
なんとか探し出したデータを元にグラフを作成しましたので、あくまで参考程度にお読みいただければと思います。
世界の競技人口 | 日本の競技人口 | 日本の愛好者数 | |
空手 | 6,000万人 | 53万人 | 200万人 |
野球+ソフトボール | 3500万人 | 700万人 | 870万人 |
スケートボード | 500万人 | 3000人 | 2万人 |
スポーツクライミング | 3500万人 | 60万人(愛好者含む) | 60万人 |
サーフィン | 350万人 | 20万人 | 200万人 |
ブレイクダンス | 7000万人 (ダンスの人口) | 600万人 (ストリートダンスのデータ/愛好者数含む) | 600万人 (ストリートダンスのデータ) |
※スポーツクライミングの日本の「競技人口」のデータは見つかりませんでした。
※ブレイクダンスの人口についてのデータが見つかりませんでした。
ここで示したブレイクダンスの世界の競技人口は「ダンス全体の人口」であるため、ブレイクダンスのみだともっと少なくなります。
※ブレイクダンスの日本の競技人口と愛好者数のデータは、ストリートダンスとしてのデータです。
※スケートボード、サーフィン、ダンスは趣味的要素が強いため、正確なデータを出すのはなかなか難しいようです。
↑スポーツクライミングとストリートダンスは愛好者数も含みます。
日本にいると、野球は世界でも大人気のスポーツのように思えますが、実は世界的に見ると案外マイナースポーツということがわかりました。
また、ダンスは世界でかなり親しまれているということがわかりました。
このうち、ブレイクダンスのみとなるとガクッと少なくなると思いますが、それにしても愛好者がたくさんいます。
スケートボードは日本では割合が低いように読み取れます。
これは、日本の環境が大きく影響していることが推測されます。
街中でスケートボードを滑ると白い目で見られてしまいがちです。
しかし、残念ながらスケボーパークは全国的に見てもまだまだ数が少ないのが現状です。
また、スポーツクライミングも世界の競技人口と比較すると、今後日本でますます発展していくことでしょう。
空手がパリオリンピックで落選した理由
世界の愛好者数や競技人口が多い空手がパリオリンピックで落選してしまいました。
なお、正式な決定は東京オリンピックを経て、2020年の12月にされるとのことで、まだ微かに空手がパリオリンピックに採用される見込みがあるようです。
とはいえ、それはとても厳しい状況にあるようです。
では一体、なぜ落選してしまったでしょうか。
フランスは空手強豪国のひとつでもあるため、パリオリンピックに追加してもメダルの獲得が期待できるでしょう。
しかし、それでも落選したには理由があり、以下のことが挙げられています。
「若い世代へのアピール不足」
「テコンドーや柔道と類似している」
「空手は流派が複雑である」
では、それぞれ紐解いていきます。
若い世代へのアピール不足
まず、「若い世代へのアピール不足」という点についてですが、空手は子供に人気の習い事ということもあり、やや不思議に思います。
しかし、これは日本人の感覚での話です。
スケボーやブレイクダンスの愛好者は、空手に比べると若年層というイメージがありますよね。
そのため、若い世代へのアピール不足という点についてはその通りかもしれません。
テコンドーや柔道と類似している
次に「テコンドー、柔道と類似したところがある」という点です。
空手をやっているひとからすれば全く別のものです。
しかし、そこは知らない人は混同してしまうところのようです。
柔道や少林寺をやっている人は、逆に空手と間違われることがあるかもしれません。
でも私も「アメリカンフットボールとラグビーの違い」って、正直あまりわかりません。
きっとそのように、知らない人からするとテコンドーも空手も同じように感じてしまうのかもしれません。
ちなみにスケートボードは本来、「サーファーが波がないときでも波乗り気分を味わえるように」と生まれたものです。
そのように、空手と空手から派生したテコンドーのどちらもオリンピック種目になってもいいのではないだろうか?とも思います。
空手は流派が複雑である
「空手の流派が複雑」という点は、間違いありません。
空手には伝統派空手やフルコンタクト空手があり、さらにそこから流派が派生しています。
空手関係者でもその複雑さを感じているのだから、空手を知らない人にはなおさら難しく感じることでしょう。
これは落選にそこそこ影響があったのではないかと推測されます。