「空手の試合が緊張する」
「緊張で本来の実力が発揮できない」
試合の直前になると心臓がバクバク。
身体は硬直し、頭の中は雑念でいっぱいになってしまう。
このように、試合でとても緊張するという悩みを持っている方は多いです。
私も試合ですごく緊張するタイプでした。
しかし、数千人の観客が注目する決勝戦の舞台で「ワクワクする」と思えるまでに克服することができました。
この記事では、試合で「なぜ緊張するのか」や「緊張が心身に及ぼす影響」を紐解き、すぐに実践できる「緊張を味方につける方法」をご紹介します。
空手の試合で緊張してしまう理由
ではまず、なぜ試合で緊張するのかを整理していきます。
なお、緊張の理由を知ることは、後にご紹介する「緊張を味方につける方法」の中でも重要になってきます。
その方法まで読み飛ばしてもOKですが、仕組みまで理解したい方はお読みいただけると幸いです。
助けて〜!
普段の練習では緊張するかい?
"試合"と対極にあるのが"練習"です。
つまり、この違いを考えると「なぜ緊張するか」がわかります。
では、少し想像してみてください。
そこに30cmの幅の板があるとします。
A:この板を平らな床に置いて、その上を歩くことはできますか?
B:この板が上空1,000mにある(なお、風の影響は受けないものとする)とき、いつもどおりに渡ることはできますか?
Aの場合、ほとんどのひとは問題なく歩けることでしょう。
ではBはどうでしょうか。
きっと多くの方が「普段どおりは歩けない」と答えるのではと思います。
これが「緊張する理由」です。
空手の形は練習でバランスを崩しても負けにはなりません。
しかし、試合ではバランスを崩してしまったら負けてしまいます。
この不安こそがが緊張の原因なのです。
緊張感が全く無いと、良いパフォーマンスが出せない原因にもなってしまうので、適度な緊張感は必要です。
緊張が心身に及ぼす影響【なぜ人は緊張するのか】
緊張の原因は不安によるものと解説しました。
緊張するとドキドキとするので、心の影響が大きいように感じます。
しかし、緊張は筋肉へも影響を及ぼしています。
緊張が及ぼす"心への影響"
試合において「集中力」が大事ということは当たり前のことです。
そして、この「集中力」は脳の前頭葉という部分を使っています。
しかし、同時に不安という気持ちも前頭葉を使うのです。
そのため、緊張が高まると、不安で前頭葉がいっぱいになり、集中力が低下してしまいます。
集中力が低下すると「あせり」や「注意散漫」に繋がってしまいます。
緊張をしてしまい「形の流れが早くなってしまった」「組手であせって技を仕掛けてしまった」というのはこれが原因です。
不安を解放する方法は後ほどご紹介しますね。
緊張が及ぼす"身体への影響"
緊張すると、筋肉が硬くなってしまったり、呼吸が早くなってしまいます。
これは、動物に襲わたり、命の危険があった際に、すぐに逃げたり戦うための「人間に備わっている本能」であり、ごく当たり前のことなのです。
そのため、適度な緊張はパフォーマンスを最大限に発揮するためにはとても必要であるといえます。
しかし、緊張のしすぎは「力み」に繋がってしまい身体が思うように動かない原因になってしまいます。
そのため、緊張がしすぎた際に筋肉を緩める方法を知っていると有利になります。
緊張を味方につける方法
子供から大人まで使えるテクニックです。
ここまで、緊張は心と身体に影響すると解説しました。
そのため「心」と「身体」の緊張をそれぞれ和らげるとより効果的です。
試合の直前にすぐでき、即効性がある方法です。
不安を紙に書き出す
では、まず心の緊張を和らげる方法からご紹介します。
不安が強くなると、集中力をつかさどる脳の前頭葉を支配してしまい、「あせり」や「注意散漫」の原因になってしまいます。
そこで、試合の前に緊張を感じたら「今、不安なこと」を紙に書き出します。
では空手の試合で想定される不安を少し挙げてみます。
・形でバランスを崩したら負けてしまう
・組手で相手の攻撃が痛そう
・練習どおりできなかったら先生に叱られてしまう
・負けたら全国大会に行けない
この他にも、不安を感じる要素は人それぞれです。
いま自分が感じている不安を全て紙に書き出すのです。
そうすると、不安が前頭葉から外に出て集中力を取り戻すことができます。
不安が整理できることによって心が落ち着くという仕組みです。
ほんの数分でできるので、騙されたと思って一度やってみてください。
肺呼吸ではなく腹式呼吸をする
次に、身体的緊張の解消方法です。
人は緊張すると浅い肺呼吸になってしまう傾向があります。
まずはその呼吸を腹式呼吸になるようにします。
方法は簡単で、お腹に手を当てて、お腹が膨らむようにゆっくりと呼吸するだけです。
回数は5回から10回でOKです。
これだけでも気持ちは少し落ち着くでしょう。
ボディスキャンをする
腹式呼吸を意識したら、次は「ボディスキャン」をします。
この方法も結構簡単にできます。
ボディスキャンの方法
①身体のどこが緊張しているか(こわばっているか)探す。
②腹式呼吸と同時に、その部位の緊張をとく。
①身体のどこが緊張しているか(こわばっているか)探す。
緊張をすると、身体のあらゆる箇所に力が入ります。
例えば、「知らず知らずのうちに手を強く握っていた」などです。
まずはそれを頭の中で探し、見つけます。
②腹式呼吸と同時に、その部位の緊張をとく。
①で身体のどこが緊張しているかを確認したら、次にそこを腹式呼吸(息を吐くとき)と同時に緊張をときます。
そうしたら①に戻り、再び緊張している箇所を探し、これの繰り返しです。
回数としては数回で十分効果を得られます。
筆者独自の緊張解消方法
次に、筆者が独自に実践していた方法をちょっとだけご紹介します。
なお、この方法は科学的根拠があるかはわかりません(笑)
興味がある方のみお読みいただければと思います。
試合は不安などマイナスの気持ちを持ってしまいます。
しかし、それも含めて「試合って楽しい!」と自分に言い聞かせます。
すると、不思議と本当に楽しくなってくるのです。
これは、試合当日だけでなく、試合の日が近づいてきたタイミングでも使えます。
少しでも試合にマイナスな印象を持ったら「試合楽しみだな〜」と思ってみるとそれが現実となり、自信にも繋がります。
"集中力"を勉強するのも大事です。
先ほど、「不安」という気持ちは「集中力」と同じ前頭葉という脳の部位を使っていることを説明しました。
緊張して不安がいっぱいになると、集中力が遮られてしまい「あせり」などが現れてしまいます。
集中力は1日の間に無限に使えるものではありません。
しかし、空手の試合は、午前中に予選があり夕方の終わり頃に決勝戦があるなど、集中力を長く保つ必要があります。
集中力はウィルパワーと呼ばれる力を使っています。
このウィルパワーを上手に節約して使うことが、パフォーマンスを最大限に発揮するために欠かせません。
その集中力を学ぶならこの1冊で十分です。
メンタリストDaiGoさんの「自分を操る超集中力」という本です。
この本を読むことで、集中力というふわっとした概念を明確に捉えることができるようになります。
空手以外にも役立つので、この本は必読です。